海外の接客でも「お客様は神様」なのか?~お互いハッピーになるために必要な事~|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-05-01

C-SOS
auto auto

海外の接客でも「お客様は神様」なのか?~お互いハッピーになるために必要な事~

海外でもお客様は神様なのか?-クレーム対応ドットコム

日本の接客の現場では、サービスを提供する側にも受ける側にも少なからず、「お客様は神様」という感覚があります。一方、海外の接客では事情は異なります。

たとえば欧米でホテルやお店に入ると、従業員のフレンドリーな態度に驚かされることがあります。かと思えば、日本では考えられないような無愛想な対応をされることもあります。いずれにしてもそこに「お客様は神様」の感覚はありません。


なぜ日本と欧米でこうも違うのでしょうか。


日本と欧米の接客が違う理由は文化的背景から?

理由として挙げられるのは、まず、「組織」と「個」の違い。

日本人は集団主義、欧米人は個人主義、とはよくいわれます。それは接客サービスにおいても同じ。日本では、顧客と対峙するのは「組織」であり、従業員はあくまでも「組織の一員」です。顧客側にもその感覚があるので、気に入らないことがあると会社に対してクレームをつけたりします。

欧米では接客においても個が尊重され、従業員と顧客の関係も対等です。従業員は顧客を神様のように扱うことはありませんし、顧客も従業員を下に見ることはありません。

次に、企業を取り巻く環境の違い。

日本では狭い国土にたくさんの競争相手がひしめいています。厳しい競争に勝つためには、商品やサービスの品質をどんどん改善していく必要があります。

そのため、たとえ低価格帯の牛丼店であっても接客の質を高めることに余念がありません。

また、言語の違いもあります。日本ではどんな従業員も顧客に対して敬語を使います。英語圏でも丁寧表現はありますが、接客シーンによっては使われないこともあります。

このようなさまざまな背景により、企業は顧客を神様のように扱い、過剰なまでのサービスを提供してきました。それによって顧客は、自分を「神様」と勘違いするようになったと考えられるのではないでしょうか。


実は「お客様=神様」ではなかった

ところで、「お客様は神様です」はもともと、歌手・三波春夫さんが使い、流行語となったフレーズです。ただその真意は、現在の使われ方とは違うところにありました。

「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております」(三波春夫オフィシャルサイトより)

つまり、神様の面前にいるように歌う、という心持ちのことを三波春夫さんは表現したのです。それが曲解されて、やがて「お客様は神様なんだろ!」とクレーマーが不当な要求をする時にも使われるようになってしまったわけです。


サービス提供側も顧客もお互いどうすればハッピーになれるか?

かつての日本企業には、「お客様は神様」を強く主張するクレーマーに対しても丁寧に接客する余裕がありました。しかし、今はそんな余裕はありません。

悪質なクレーマーや、必要以上のサービスを要求する顧客にいちいち構っていては、従業員の労働生産性や意欲を低下させるばかりか、企業のブランドイメージを損ねることにもなります。

それは顧客にとっても不幸なことです。自分たちのわがままが企業の体力を低下させ、サービスの質を低下させることにつながるのですから。

では、企業はどうすればいいのでしょうか。それは、その顧客が本当に「神様」かどうか、見極めることです。

企業にもお客様を選ぶ権利はあります。企業の方針・考え方・サービス・価格に賛同してくださるロイヤルカスタマーには、手厚いサービスを提供すればいいでしょう。

一方、自社に不利益をもたらすような顧客のことは、毅然とした態度で拒絶する姿勢も必要です。

そして顧客の側も、自分が支払った以上のサービスを要求しないモラルが求められることを忘れてはいけません。何事も「過剰」ではどちらかが余計な負担をしているので、良い関係が続くとは言えません。

「こんなサービスを受けるには、これだけの金額が必要」という価値観をお互いに共有できる状態。それが企業と顧客の一番ハッピーな関係といえるのではないでしょうか。


この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
URL.http://claim-csos.com/

0 件のコメント:

コメントを投稿