「問題を認識していながらスルーする」~間違いだらけのクレーム対応(5)|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-09-26

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「問題を認識していながらスルーする」~間違いだらけのクレーム対応(5)

「問題を認識していながらスルーする」~間違いだらけのクレーム対応

お客さまへのクレーム対応は丁寧・迅速に行うのに、クレームの原因となる問題の解決には目を向けていない、ということはないでしょうか? クレーム対応にあれこれと手間をかけるよりも、まずは根本的な問題の解決から取り組んでみてはいかがでしょうか。


軽いクレームが繰り返し発生するなら……

例えばレストランで、「料理がおいしくない」という問題があったとすれば、店長はすぐに改善に取り組むはずです。料理の味は、レストランの売上を左右する最重要課題だからです。

しかし、「トイレの汚れをお客さまに指摘される」という問題には、ひとまずトイレを清掃する、といった対症療法で済ませてしまうことがあります。

その対応は正しいのですが、同じクレームがたびたび発生するようならば、注意が必要です。もしかしたら、深い部分に根本的な問題が隠されているのかもしれません。

トイレ掃除のやり方が間違っている、清掃用具に不具合がある、トイレ掃除を指示する組織体制ができていない、などです。

そのような根本的な問題を放置している限り、クレームは繰り返し発生します。クレーム対応の手間はなくならないばかりか、お店に対するお客さまの信頼は低下してしまいます。

クレームは起こる前に解決する

根本的な問題があると認識しているのならば、面倒くさがらずに、まずはその解決に着手するべきでしょう。組織の見直しなどが必要になり、手間はかかるかもしれません。しかし、長い目で見ればその方が、売上向上やコスト削減などの効果は大きいはずです。

さらにクレーム発生前に問題を把握し、先回りして解決した方がよいのは言うまでもありません。

クレームの原因、つまりお客さまが不快になるような状況をできるだけ排除しておく。そのような姿勢は結果として、クレームが起きた時の対応スピードの向上や、企業への信頼につながることもあります。

「クレーム対応は、クレームが起きる前から始まっている」

と言えるのです。

細やかな気配りでクレーム発生を未然に防ぐ2社の例

最近とても感心した二つの企業を例に挙げましょう。

一つは家電量販店大手のヤマダ電機です。ネットで扇風機を買おうと考え、お目当ての機種の最安値を調べると、ある家電量販店のオンラインショップでは約14,000円でした。一方、ヤマダ電機のオンラインショップでは15,000円くらい。

しかしそこには「値引き交渉」というボタンがありました。押すとチャットが開き、他社サイトのURLを貼り付けられるようになっています。送るとすぐに「他社と同じ価格に値引きします」との返信があり、実際に値引きした価格で買うことができました。

家電量販店ではよく「他店より1円でも高ければ値引きします」と宣伝していますが、インターネット通販との比較においては例外としているところが多いようです。そのために、「値引きできるはウソなのか」などと叩かれることもあります。

しかしヤマダ電機では、他店の価格を提示して値引きできる仕組みを、オンラインでも実現していたのです。これには驚くとともに感心しました。

もう一つ、引っ越しの際にアート引越センターに見積もりを依頼した時のこと。アート社といえば引っ越し最大手だけど値段が高いというイメージがありました。しかし、実際に利用してみたことで、同社のイメージは大きく覆されました。

例えば、引っ越しが終わった後、1年以内であれば、家具の移動(再配置)を無料でしてくれる家具移動サービス、不要なダンボールを引き取ってくれるダンボール引き取りサービス、新居にあがる前に作業員が靴下を新しいものに履き替えるクリーンソックスサービスなど、細かな気配りを徹底していることを実感したからです。そのうえ、料金は他社より少し安いくらいでした。

これらの2社のサービス対応からわかることは、「安売りの老舗」「引っ越しのパイオニア」といった自社のコア・コンピタンスをよく理解し、常に高めようとしている姿勢です。上記のような細やかなサービスの実施は、クレーム発生を未然に防ぐというだけでなく、顧客満足度の向上、企業競争力の向上につながっているのではないでしょうか。


 


この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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