クレーム対応から危機対応に切り替えるタイミングの目安は3回目|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-09-18

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クレーム対応から危機対応に切り替えるタイミングの目安は3回目

クレーム対応から危機対応に切り替えるタイミングの目安は3回目

クレーム対応は企業がお客さまとの関係を構築する大切なチャンスです。しかし一方で、度を超えた攻撃をしてきたり、金銭・商品を要求してきたりと、不当なクレームを付けてくるクレーマーがいるのも事実。ではどのタイミングで不当なクレームと判断すればよいのでしょうか。ポイントは「3回目」です。


「ちょっとおかしい」要求が続いたら……

某コーヒーチェーン店で起きた事例をもとに解説しましょう。店舗にお客さまから「さっき買ったコーヒーのなかに、緑の糸が入っていた」と電話がかかってきました。

たしかに店員のエプロンは緑色であり、エプロンの布からほつれた糸くずがコーヒーカップに入ったのかもしれません。店長は謝罪し、レシートを持参していただければ商品を交換する旨を伝えました。

そのお客さまは来店して、新しいコーヒーを受け取るとともに、「ここまでタクシーで来たのだからタクシー代を払ってほしい」と要求してきました。店長は自分の判断でタクシー代を払いました。

さて後日、別の店でも、同じお客さまから同じ内容のクレームがあり、やはりタクシー代の要求がありました。

「これは金銭目的の悪質なクレームではないか」と疑念が生まれましたが、偶然に偶然が重なった可能性も否定できません。その会社ではクレーム対応の履歴を共有し、全社に注意を喚起しました。

そして後日、3度目となる同じクレームが発生したのです。


危機対応に切り替えても、お客さまに接する姿勢で

起こる可能性の低いトラブルが3度立て続けに起きる。これはクレーム対応から危機対応に切り替えるタイミングです。今までと同じ対応をしていては、タクシー代を請求され続ける可能性があります。

ただし、相手をクレーマーと決めつけて対応してはいけません。自社に問題がある可能性も残っているからです。そこで、相手はあくまでもお客さまであるという姿勢は崩さずに、慎重に対応しました。

まず商品の不備を謝罪しつつ、タクシー代を要求されないように、お客さまのお宅に代わりのコーヒーを持参しました。さらに分析のために糸くずの入った商品を回収しました。

そして分析した結果、その繊維は従業員のエプロンのものとは異なり、店舗で混入したものではないということがわかり、これをお客さまにも報告しました。

その時に間違っても「わざと糸くずを入れたんじゃないですか?」「タクシー代を便乗しようとしていませんか?」などと指摘してはいけません。この対応の目的は、タクシー代を払い続けるというリスクを回避することにあります。その点さえクリアできれば、相手と敵対する必要はないのです。

このケースでは、3回目に適切な対応をしたことで、このお客さまが不当なクレームを付けてくることはなくなりました。


事実確認を3回するまではクレーマーと決めつけない

何らかのトラブルがあって事実確認をする際も同様に、「3回」がポイントとなります。「そんなことはあり得ない」と思うような事態が起きても、1回、2回までは性急な判断は控えることが基本です。

例えば、「おたくの商品に金属片が混入していた」というクレームがあったとします。最初から「そんな金属片が入るはずはない」「お客さまの歯の詰め物が取れたに違いない」などと決めてかかってはいけません。

クレーム対応の最初のヒアリングだけで、正確な事実確認ができることはないからです。人と人とが会話をするなかで、事実誤認や勘違いは少なからず起こり得ます。

まずは1回目のヒアリングで状況を聞く。次に商品を送ってもらってから、より詳しい話を聞く。さらに状況が整理されたら、結果を報告しつつ、お客さまとの間で事実を再確認する。そのように3回くらいやり取りをしないと、解決に導くことはできないと考えてください。

3回目のやり取りを終えて、そのうえで自社に問題はなく、不当なクレームだと判断したら、そこから毅然とした態度を取ればいいのです。


 



この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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