ラーメンが先か?餃子が先か?「共通認識を得る」―新人が最初に覚えるべきクレーム対応[6]|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-10-03

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ラーメンが先か?餃子が先か?「共通認識を得る」―新人が最初に覚えるべきクレーム対応[6]

「共通認識を得る」―新人が最初に覚えるべきクレーム対応

自分では常識だと思っていることが、お客さまにとっては常識ではない、ということはよくあります。この認識のズレがクレームに発展することも……。例えばあなたがラーメン店の店員だとして、「ラーメンと餃子とビール」という注文を受けたら、何からどういうタイミングで提供しますか?


意外にバラバラ!ラーメンと餃子とビール、どんな順で提供する?

ラーメン店で「ラーメンと餃子とビール」を注文し、商品が出てくる順番について店側にクレームを付けるために何時間も居座った男が逮捕された――そんなニュースを見たことがあります。

笑い話のようですが、男の怒りもわからないではありません。ラーメン好きでお酒好きの人なら理解できるはずです。この三つがどのように出てくるかは、すごく大切なことなのです!

まず、キンキンに冷えたビールと熱々の餃子がほぼ同時に出てくる。そして餃子をつまみにしながら一杯やる。餃子が数少なくなる頃にラーメンが登場……こんな理想のタイミングで出てくると、ささやかな幸せを感じます。

しかし実際には、ちょうどいいタイミングで出してくれるお店って、なかなかありません。いきなり最初にラーメンが出てきたり、ビールだけが出てきて料理がこなかったり、全部一緒に出てきたり……。

そんな時はガックリすると同時に、「食べる順番を考えてほしかったな」と残念に思ってしまいます。


料理を出す順番において優先するべきはお客さまの都合

店側としては、「飲み物の注文があったらまず飲み物を先に出す」といったルールを決めていることもあります。また、調理手順上たまたま餃子が先に焼き上がったから、熱いうちに提供したい、と考えたのかもしれません。

でもそれらは店側の都合に過ぎません。「店側の都合」よりも「お客さまの希望」を優先するのが、サービスのあるべき姿のはずです。

ただ、店のことばかりを責めるのもよくないと思います。

なぜならば、「ラーメンと餃子とビール」をどんな順序・タイミングで出してほしいかなんて、結局はその人の好み次第というところもあるからです。

店員がお酒を飲まない人ならばなおのこと、正しい順序・タイミングを理解できないかもしれません。「そんなにこだわるのなら、先に言って欲しい」というのが店員の本音でしょう。


わからないことを聞くだけでお客さまとの「共通認識」が持てる

では、どうするのが理想なのでしょうか。それは店員がお客さまと「共通認識を得る」ことです。つまり、注文があった時に「どのような順番でお出ししますか?」とひと言聞く。それだけです。

そうすることでお客さまには、希望する順序・タイミングで気持ち良く食事をしてもらうことができ、「気が利いた店だな」という印象を持ってもらえます。

逆に言えば、「聞く」というひと手間を怠ったばかりに、クレームが発生したり、信頼を下げたりすることになるわけです。

これは飲食店に限らず、どんなビジネスでも言えることです。「うちの会社ではこうするのが当たり前だけど、お客さまの考えている当たり前とは違った」、そんなことが原因でトラブルになる例はよくあります。

特に新人さんは、仕事をこなすことに精一杯になっているために、お客さまの立場に立つことを忘れて、マニュアルや自分の都合を優先してしまいがちです。しかし、自分の都合と相手の都合は違います。

だからこそ、わからないことや気がかりなことについては積極的に質問して、お客さまとの間に「共通認識」を持つ必要があります。それがクレームを発生させないために、そしてお客さまの信頼を得るために大切なのではないでしょうか。


 



この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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