東名バス事故から学ぶクレーム対応と危機管理|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-06-14

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東名バス事故から学ぶクレーム対応と危機管理


東名高速の衝突事故 1人死亡 45人けが

10日午前、愛知県新城市の東名高速道路の上り線で、47人が乗った観光バスに乗用車が衝突し、乗用車を運転していた浜松市の62歳の医師が死亡しました。また、大けがの6人を含め、バスに乗っていた45人がけがをしました。~NHKニュース

「あっ、またか。」

バス事故というと、「軽井沢スキーバス転落事故」に代表されるようにバス会社の過密労働や整備不良、事故後の対応遅れ、度重なる情報修正と混乱といった言葉が代名詞のように飛び交うのが一般的です。

しかし、東名高速での空飛ぶ乗用車と観光バスとの衝突事故に関しては、バス会社(東神観光バス株式会社)の基本的な危機管理と理想的な事後対応が見られた事で、センセーショナルな内容ではあったものの、いわゆる不慮の事故として世間では認識されたのではないだろかと思います。

では、何がこれまでと違ったのか。今回は、東名バス事故をクレーム対応の観点から捉えてみます。

なお、亡くなられた乗用車のドライバーにお悔やみ申し上げると共に、事故にあった乗客の方々にはお見舞い申し上げます。


事故後の対応スピードの速さと情報の確度

今回の一番の驚きは、事故直後にリアルな現場映像が配信されたことに尽きます。通常、事故が起きた段階で警察が介入するため、重要な証拠品であるドライブレコーダーの記憶媒体を簡単には入手出来ないし、すぐに公開することも難しいはずです。

バス会社のプレスリリースによると、事故の瞬間に、事故が起きたというアラートとその時に記録された映像がバス会社のサーバーに送信されていたという事です。

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これらの情報によって、バス会社は『とんでもないことが起きた』と認識出来たに違いありません。この瞬間から、事故に対する対応速度は格段に上がり、事故後わずか30分でバス会社の管理職が現場に入ることができました。

そのおかげで、本社における乗務員と乗客の安否確認、ご家族等への緊急連絡、マスコミ会見準備に向けた情報収集と対策が迅速に行われたのです。

そして、矢継ぎ早に正確な情報を差し出していく。バス会社のプレスリリースには、端的に事故の状況とその後の対応、そして、乗務員の状態についての記載がありますが、事故発生後12時間という短い時間の中で必要な情報が正式に示された点には見習うべきことが多くあります。


提供される情報の信頼性とスピード

今回の事故は、事『前』対応の的確さが目立った案件と言えます。

事故後にあれだけ素早く対応が出来た理由は、ある程度の事故を想定したシミュレーションを行っていた結果だと推測されます。プレスリリースが発信されたタイミングとその内容を見れば、事故可能性を下げてきた努力とバス会社の真摯な姿勢が感じ取れたのではないでしょうか。

バス事故においては、バス会社の管理体制に世間の目が集まるのが今や一般的です。また、運行管理や乗務員の健康管理などは、マスコミから必ず質問がきます。

クレームは、悪質なものを除けば、お客さまの期待と企業の考え方との違いが原因で生じることが大半です。

今回の事故報道の多くが肯定的な記事なのは、事故前後の状況、ドライブレコーダーの映像が示す事実、お客さま一人一人への気遣いなどを迅速に公開したことによって、バス会社の事故を未然に防ぐための事前努力などが、世間の期待に応えた対応であったからといえます。

やはり、クレーム対応(危機対応)には、事後対応のみならず、事前対応としての危機を減らす努力と危機を想定した対応訓練が必要だと思います。



この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
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