ここが違う!クレーム対応に投資している企業が取り組んでいるNPSとは?|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-05-01

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ここが違う!クレーム対応に投資している企業が取り組んでいるNPSとは?

ハインリッヒの法則はクレーム対応でも通ずる-クレーム対応ドットコム

「顧客満足度(CS)」は、あらゆる企業において重要な指標として位置づけられています。

しかし今の時代、CSだけを金科玉条とする考え方は少し古いかもしれません。というのも近年の研究では、CSと企業業績の相関関係は低いという事実が明らかになっているからです。


そして、CSに代わる指標として注目を集めているのがNPS(Net Promoter Score/ネット・プロモーター・スコア)です。


NPSは現在、アップル、アマゾン、P&G、マイクロソフト、IBM、アメリカン・エキスプレス、アクサ、フォーシーズンズ・ホテルズなどなど、世界の名だたる企業に採用され、サービス改善に役立てられています。


では具体的にNPSとはどんなもので、CSとの違いはどこにあるのでしょうか。


業績向上との関連性が高いのは、CSではなくNPS 

CS調査では、現在の顧客が抱いている満足度を測ります。商品・サービスに満足しているか否か。満足しているならどの点が満足か、不満に思っているのはどの点が不満か、ということを調査するわけです。

このCS調査のスコアを高めれば、業績向上につながるかというと、残念ながらそうとも言い切れません。商品・サービスを利用して満足したからといって、再度購入してくれるとは限らないからです。また、既存顧客の満足度が新規顧客の拡大につながるということもありません。

一方のNPS調査は、顧客がその商品を友人などに薦めるかという点にフォーカスしています。

人は、自分が本当に満足する商品・サービスを他の人に薦めたがる性質があります。また新たに商品・サービスを購買する時には、企業の発信する宣伝よりも他人の口コミを重視する傾向があります。

ネットとスマホの普及によって口コミ重視の傾向は一層加速しました。本を買う前にまずレビューをチェック、という人も多いのではないでしょうか。口コミが企業にとって業績を左右する重要な要素となっているのです。

NPS調査では、いい口コミを発信してくれる「推奨者(プロモーター)」の割合を割り出します。また、どちらでもない「中立者」、不満を抱く「批判者」についても知ることができます。推奨者の割合から批判者の割合を引いた数字が、NPSとなります。

NPS(ネット・プロモーター・スコア)の概要

NPSを継続的にモニターし、スコアを高めることが、商品・サービスに対する推奨者を増やすことになり、ひいては業績向上につながるわけです。

NPS調査は、顧客にたった1つの質問をするだけ

NPS調査を実施するのに複雑な手法が必要かと思われるかもしれませんが、じつはとても簡単です。

「あなたは○○の商品を家族・友人・同僚に薦める可能性はどれくらいありますか? 0~10で評価してください」

この質問を調査対象者にするだけ。

ただし一般的にはもう1つ、「そのように答えた理由は何でしょうか?」という質問を付け加えることもあります。これらの質問により、商品・サービスに対する顧客の定量的・定性的な評価を知ることができます。

またNPSでは、同じ調査対象者に対して定期的・継続的に調査を行います。

たとえば最初の調査で「批判者」だった人が不満に思っていることを改善し、その後再び調査を実施すれば、「批判者」が「中立者」や「推奨者」に変わることが期待できます。

このようにしてトータルでの推奨者の割合を増やしていけば、NPSのスコアは高くなります。

注意したいのは、NPS絶対評価ではなく相対評価であるということ。ですからマイナスだからといって落ち込んだり、プラスだからといって過度に自信を持ったりすることは間違いです。

たとえば証券業はマイナス評価になりやすく、ホテル業はプラスになりやすいなど、業種によって傾向が違うからです。大事なのは、業界水準を上回る数値を出せるようサービスを向上していくことです。


NPSはハインリッヒの法則の「29」にアプローチできる

冒頭のイラストにもありますが、労働災害の確率を示した有名な法則「1:29:300の法則(ハインリッヒの法則)」は、クレーム発生にも当てはまります。

つまり、1件のクレーム発信者の背後には、29件の軽いクレーム予備軍がいて、さらにその背後には300件の潜在的な不満者がいるということ。

NPS調査は、この「29件」のクレーム予備軍(=批判者)に対してアプローチして、「中立者」「推奨者」に変わってもらう有効な手段となるのです。


【NPSの参考書籍】



この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
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