これをやらなければ、すべてが台無し!クレーム対応よりも優先するべき事
このコラムでは、上手なクレーム対応とはどのようなものか、基本的なTipsを紹介していきます。一回目となる今回は、クレームの初期対応よりもさらに前の段階でやるべきことについて解説します。一般的にクレームの初期対応というと、「謝罪の態度を示す」「事実確認をする」「お客様の言い分を聞いて怒りを吐き出させる」「上司に相談する」等々、いろいろなやり方が紹介されています。
それらは間違ってはいませんが、もっと前の段階で必ずやらなければならないことがあります。
それは、現場における「緊急応対」です。
最初にやるべき事は、お客さまの安否を気遣う「ひと言」を発すること
緊急応対とは、顧客の健康・生命の危険につながる問題や、法令違反につながる問題に対応すること。緊急応対に後れが生じたり、放置してしまったりすると、会社の存亡に関わるような大きな問題に発展してしまうこともあります。たとえば先日、子連れで旅行に行った帰りの飛行機でこんなことがありました。
子供はまだ小さいので乗り物酔いを心配していたのですが、しばらくは元気でいました。しかし飛行機が大きく揺れた途端、いきなり席で嘔吐してしまいました。
急いでキャビンアテンダントを呼び、「すみません。子供が吐いてしまったので何か拭くものをもらえますか?」と言ったところ、相手は「あっ」と言って眉をひそめ、非常に面倒くさそうに布巾やペーパーを持ってきました。
その態度を見て、非常に悲しく、腹立たしく思いました。
親としては、周りのお客さんには迷惑をかけ、キャビンアテンダントには仕事を増やしてしまったという申し訳なさ、エチケット袋などを準備しておけばという後悔、子供を心配する気持ちなどが相まって、泣きたいくらいの気分です。
そんな時に面倒くさそうな態度を取られたことで、追い打ちを掛けられたような気分になったのです。人によっては、その態度が逆上するきっかけになることもあるでしょう。
子供は飛行機に酔って吐いたわけですが、もしかしたら、機内食に異物が混入していたなど、別の理由があったと想定することもできます。
いずれにせよ顧客の健康状態が急激に悪化しているわけですから、最初に「お子さんは、大丈夫ですか?」というひと言が欲しかった。それだけで、親としては救われた気分になるはずです。
適切な初動対応が、クレームの火種を最小限にする
たとえば飲食店で、店員が誤ってお客様に熱いコーヒーをこぼしてしまった時、最初にやるべきことは「上司に相談する」とか「お客様の言い分を聞く」ではなく、速やかに冷たいタオルを持ってきて、コーヒーがかかった身体を冷やすと共に「お体(洋服)は大丈夫すか?」と声をかけること。また薬局で、顧客から「出された薬が間違っていた」と言われたら、「どんな薬でしたか?」と事実確認する前に、その薬を飲んでしまったのか、飲んでしまったとしたら「お身体に違和感はないですか?」など体に異常がないかを聞くこと。
「お客さまの安否を気遣う言葉をかける」
そんな当たり前の緊急応対ができなかったばかりに、後々大きな問題に発展しまうことが多々あるのです。
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この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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