ネットショッピングが発展する一方、老舗のデパートや大型スーパーが退店するなど、苦境に立たされる店舗が増えています。ネットショッピングは、実際の店舗(実店舗)よりも便利で安いなど多くのメリットがあります。ではこのまま実店舗がなくなっていくかというと、そうではないでしょう。改めて「実店舗の価値」を考えてみましょう。
せっかく店舗に行ったのに詳しい商品説明が聞けずにガッカリ
先日、家電製品を買うために大手家電量販店に行きました。普段は、ちょっとした買い物ならインターネットで済ませてしまうのですが、家電製品は高額ですし、やはり実物を見て決めたい。それに、商品について店員に聞きたいこともあったので、電車に乗って大型店舗まで出向いたのです。しかし、店員に話を聞こうとしても、広い店舗のなかでなかなか見つけることができません。見つけたとしても、他の顧客の対応をしていたり、非常に忙しそうに足早に歩いたりしているので、話しかけづらい。
タイミングを見計らって呼び止めて、疑問に思っていたことを質問してみたのですが、商品についてあまり詳しくないらしく、求めていたような回答は得られませんでした。
これでは、わざわざ店舗に来た意味がない、とガッカリしてしまいました。
ネットショップと比べた実店舗の価値は下がり続けている
総務省の「家計消費状況調査」によれば、日本の2人以上世帯におけるネットショッピングでの月間支出額は、31,247円(平成28年度平均)となっています。多くの世帯が、平均して月約3万円の買い物をネットでしていることになります。確かにネットショッピングは便利です。品揃えが豊富で、買いたいものを検索してすぐに探し出せます。すでに買った人のレビューや、人気ランキングも参考になります。お店に行かなくても自宅まで届けてもらえて、送料は無料のことも。気に入らなければ気軽に返品もできます。
そして、次々と便利なサービスを付加することで、利用者の利便性を高め続けています。その一方で、実店舗の価値は相対的に下がり続けています。
ただでさえ実店舗の価値が揺らいでいるというのに、店員が見つからない、サービスがよくない、商品知識が乏しい……というのでは、本当に存在意義がわからなくなってしまいます。
改めて実店舗は、実店舗であることの価値や必要性を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
実店舗がネットショッピングに勝てる要素は「体験」
では、実店舗の価値、強みとは何でしょうか。価格でないことは明らかです。価格面では、運営コストの低いネットショップには太刀打ちできません。
実店舗の価値・強みをひと言でいえば、「顧客体験」ではないでしょうか。気持ちのよい接客を受けられるという体験。店員から詳しい商品説明をしてもらえるという体験。適切なところに商品が配置され、スムーズに楽しく買い物できるという体験……。
ネットショップでは得られない、そのような体験を提供できるところが店舗のいいところ。それなのに、せっかく来店したお客さまに不快な思いをさせて、「これならネットショッピングの方がいいや」と思われてしまうと、ますます実店舗の価値は低下します。
自分の店舗が、お客さまに価値ある体験を提供できているかどうか、一度調査をしてみてはいかがでしょうか。たとえばNPS(Net Promoter Score/ネット・プロモーター・スコア)などの手法を使ってもいいですし、お客さまアンケートを実施して「当店の店員の対応はどうでしたか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
それにより、お客さまが持っている小さな不満やクレームを明らかにすることができます。その不満・クレームを一つ一つ改善していくことが、実店舗ならではの価値を高めることにつながるのです。
この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
URL.http://claim-csos.com/
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