顧客が求めているのはそれじゃない!「的確に答える」―新人が最初に覚えるべきクレーム対応[10]|クレーム対応ドットコム公式サイト

2018-02-13

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顧客が求めているのはそれじゃない!「的確に答える」―新人が最初に覚えるべきクレーム対応[10]

顧客が求めているのはそれではない!「的確に答える」―新人が最初に覚えるべきクレーム対応

お客さまが問い合わせをした時に、自分の求めていた回答を得られないと、不満を溜めることになります。そのような不満が、サービスの解約や大きなクレームに発展することにもなります。問い合わせに対応する担当者は、「問い合わせをしてきたお客さまが何を求めているのか」、ゴールを明確に理解してから対応を行う必要があります。


質問とは全く関係のない回答をするオペレーター

知人が引っ越しをするので、ネット回線の移転手続きをした時のことです。遠距離の引っ越しでしたが、これまで担当していた代理店Dが扱っている同一ブランドのネット回線を継続して利用することにしました。

ところが、継続にかかる料金を代理店Dに提示してもらったら、回線工事費が前回契約した時よりも金額が高くなっていることに気が付きました。同じ工事内容なのに、倍近い金額の差があったのです。

疑問に感じてサポートセンターに連絡。「なぜ前回よりも工事費が高いのですか?どのような料金設定になっているのですか?」と率直に訊ねました。するとサポートセンターのオペレーターから返ってきた答えは……。

「そちらの金額をお支払いいただかなければ、工事を承れません」

質問する側としては、金額に文句をつけるとか、継続契約の撤回してやろうと問い合わせをしたのではありません。単に、なぜ同じ工事内容なのに前回と料金に差があるのか、その理由を知りたかったから問い合わせをしただけ。

それなのに迷惑なクレーマーのような扱いをされて、知人はとても腹が立ったと言っていました。

ゴールを見失った対応はお客さまの不満を招く

なぜ、オペレーターは見当違いな回答をしてしまったのでしょうか。答えは簡単です。お客さまが何を求めているのか、ゴールを理解していなかったからです。

お客さまから質問があった時に、「工事料金に疑問があって、今回の工事に関する料金の妥当性をお知りになりたいのでしょうか?」などと確認していれば、ゴールを見間違うことはなかったはずです。

このようにすれば、お客さまの目的に合った回答ができ、納得を得られたことでしょう。

しかし、「このお客さまは、料金が高いことにクレームを付けてきているのだな」と間違った解釈をしてしまったばかりに、対応もちぐはぐなものになってしまいました。

焦って間違った対応をするよりも、一旦確認を

インターネットで映像を配信しているある会社で、ゴールを確認せずにまずい対応を行ったことで、大きなクレームに発展したことがありました。

サポート窓口に、お客さまから電話がかかってきました。「○○という番組は今日やりますか?」という質問です。それだけの質問なのですが、オペレーターの対応は何とも融通の利かないものでした。

「ではお客さま、会員情報を確認いたしますので、お名前とお電話番号をお願いします」
「いや、番組がやっているかどうか知りたいだけなんですけど」
「規則ですので、お名前とお電話番号をお願いします」

この押し問答が続いたことでお客さまはカンカンに怒り、クレームに発展してしまいました。お客さまからすれば、単に番組がやっているのかどうか知りたかっただけ。それなのになぜ本人確認が必要なのかと、憤りを感じたわけです。

オペレーターからすれば、マニュアルの手順通りに本人確認を求めただけかもしれません。しかしこの状況を考えれば、本人確認などをする必要は全くなく、単に番組の放送予定を教えてあげれば済む話です。

お客さまの質問の意図を理解せず、マニュアルを重視して杓子定規な対応をしてしまったために、お客さまを怒らせることになってしまいました。

こういったミスは、新人が起こしがちです。上司に確認して「そんなこともわからないのか」と思われるのがイヤなので、自分だけで完結させようと考える人が多いからです。また、「1人で顧客対応を完結できること」が人事評価の対象となっている企業でも、同様な問題が起こりがちです。

しかし、お客さまの質問の意図もよく理解せずに見当違いの対応をしていては、結局クレームにつながり、問題が大きくなってから上司に助けを求めることになります。つまり最初から、上司に助けを求めた方が良いということです。

『報連相』の中でも、相談が実は一番重要なのです。お客さまとの対応のなかで、少しでも疑問点や不明点が出てきたら、あいまいにしたまま自分で解決しようとするのではなく、上司にまず相談する癖を付けましょう。


 

この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
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