不祥事のメカニズムを知り、クレームの発生を減らすには?|クレーム対応ドットコム公式サイト

2018-02-06

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不祥事のメカニズムを知り、クレームの発生を減らすには?

企業不正のメカニズムを知り、クレームの発生を減らすには?

神戸製鋼・東レ・三菱マテリアルなどを反面教師に学ぶ「企業不正」のメカニズムの記事では、大企業において不祥事や不正が発生する原因は、クレーム発生の原因と似ているという話をしました。では具体的にどのようにすれば不祥事や不正の原因を減らすことができるのでしょうか。対策を考えてみたいと思います。

社内のルールを優先するあまり、不祥事に常識外れの対応をした企業

昨今たびたびニュースで取り上げられる大企業の不祥事や不正。そのきっかけは「企業風土の内向化」にある、というのが前回の記事の要旨です。

社内が内向きになると、現場社員は顧客の利益よりも社内のルールを優先してしまうため、世間の常識の外にあるような行動を取ってしまいがちです。

これは実際の話なのですが、あるネット関連サービスを提供している会社が、本来は発生していない料金をお客様に請求し、クレジットカードで決済されてしまったということがありました。

お客様からサポート担当に問い合わせがあり、自社のミスであることが発覚。丁寧な謝罪をしたところまでは良かったのですが、その後の対応が不可思議なものでした。

「誤って引き落とされた金額は、社内のルールに則ってポイントで返還させていただきます」。……当然お客様はカンカンに怒り、クレームは大きな問題に発展しました。

誤って現金を徴収したら、現金で返還するのが当然です。しかし担当者は社内のルールを優先する意識が強かったため、ポイントで返還という常識とは大きくかけ離れた対応をしてしまったわけです。

大切なのは問題があったら声を上げる風土づくり。しかし実際には難しい

外部から見れば「そんなバカな」と思うようなことであっても、社員が内向きになっていると、そのおかしさに気づくことができません。問題を是正しようという自浄能力も働かず、それが大規模な不祥事や不正、クレームに発展してしまうわけです。

大切なのは、そのような内向きの企業風土を醸成させないことです。そのためには組織を構成する従業員の一人一人が、社内のルールではなく世間のルールに照らし合わせて、問題を発見したら「これはおかしい」と勇気を持って声を上げることです。

ただ、それはあくまでも正論です。実際には「正直に言ったら社内での立場がまずくなるかも」「上司に睨まれる」と考えてしまい、見て見ぬ振りをしてしまうことも多いのでしょう。

大手企業などでは内部通報制度を設けて、不正の報告を呼びかけている場合もあります。それはもちろん有効な手段ではあるのですが、大きな問題だけに限定されてしまう印象があります。

ちょっとした“ヒヤリハット”を発信し、クレームの芽を摘む仕組み

そこで、日々起こるちょっとした問題や不満を積極的に社内に発信できる、そんな仕組みづくりをしてみてはいかがでしょうか? つまり、「ヒヤリ・ハット」の事例を収集する仕組みです。

重大な災害には至らなかったものの、そこにつながる可能性もあるミスや問題行動のことを「ヒヤリ・ハット」と呼びます。製造業や建設業、医療・介護の現場などでは、安全対策としてヒヤリ・ハットの事例共有が当然のように行われています。

サービス業の現場やオフィスワークにおいても、このヒヤリ・ハットの考え方は生かせるはずです。

たとえば、「喫煙室の灰皿の周りが汚かった」「事務用品がムダ使いされている」など、社員が問題に思うこと、おかしいと感じているようなことを拾い上げ、社内で共有するのです。

その際、グループウェアや社内SNS、ビジネスチャットなどのシステムを利用すれば、手軽に、手間なく情報を発信・収集できます。また、社長をはじめとする経営陣に直接情報が届くようにするのもポイントです。

企業の不祥事とは違いますが、長野県教育委員会がLINEを活用したいじめ相談を実施したところ、わずか2週間で前年1年間の6倍にも上る相談が寄せられたそうです。

企業においてもITツールをうまく活用し、日常にある小さな問題を拾い上げる仕組みをつてみてはいかがでしょうか。それがクレームの芽となる問題を見逃さない、オープンでフェアな企業風土づくりにつながるのです。


 

この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
URL.http://claim-csos.com/

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