
お客さまから問い合わせがあった時、お客さまからの期待に添うよう、過不足なく情報を伝えること。これは誰もがやっている、ごく当たり前の対応です。お客さまをロイヤルカスタマーにしたいなら、期待を超える対応がする必要があります。
言われたことだけに答えても、お客さまの期待を超えられない
居酒屋などに行って、珍しい地魚の名前を見つけて、店員さんに質問をしたことはありませんか?「この○○って、どんな魚なの?」
その時、どんな回答をしてくれることを期待しているでしょうか?
「地元でよく獲れる白身の魚ですね」と回答がきたら、「それで終わり?」とガッカリしてしまいますよね。追加で「どんな味なの?」「どう調理するのがいいの?」などと、いろいろ聞く必要が出てきます。
知識のない店員であれば質問する度に、「ちょっと聞いてきます」と奥に引っ込んで、厨房の人に教わってくることでしょう。それが何度か繰り返されると、「面倒くさいから質問するのはよそう」と思ってしまいます。
逆に、もし最初の質問に対して、「白身の深海魚です。刺身でも食べられますが、今日は焼き魚か煮付けでご提供しています。柔らかくて、コクのある味です。ただ脂が多いので、たくさんは食べない方がいいですよ」くらいの説明が返ってきたら、「この店は教育がよくできているな!」と感心してしまうことでしょう。
お客さまは質問をする時に、質問した内容に対するそのままの回答を期待しているのではありません。プラスαの回答を期待していることも多いのです。お客さまの期待を超える回答や対応ができれば、そのお客さまがロイヤルカスタマーになる可能性は高まります。
あるケーキ屋さんの期待を超える対応に感動した話
あるケーキ店で期待を大幅に上回る対応をしてもらい、感動したことがあります。
妻の誕生日ケーキを買いにデパ地下に行った時のこと。DEMELというチョコレート専門店に、妻の好物である美味しそうなザッハトルテを発見しました。ところが、バースデープレートの名入れは、4日前でないと準備ができないとのことでした。
「しまったなぁ」と思いながら悩んでいると、店員さんが「千疋屋さんなら対応できるはずです」と教えてくれたのです。他店を勧めるとは、なんという心意気!
ザッハトルテは諦めきれないと思いながら、千疋屋へ向かいました。しかし考えてみれば、妻だけでなく子どもも食べるので、子どもにはフルーツプリンの方がいいだろうと思い、千疋屋でフルーツプリンを購入し、名入りプレートも確保しました。
そして私はDEMELへ戻り、ザッハトルテも購入。妻の好きなザッハトルテと、名入りプレート、そして子どものプリンを買い揃えることができたわけです。
DEMELの店員さんは、ザッハトルテ一つ分の売上を逃す恐れはあったものの、目の前にいる私のためを思って、ライバル店を勧めてくれました。しかし結果的に、そのことが自店の売上につながったわけです。
そして、お店のファンを増やすことにもなりました。期待値を上回る対応をすることがロイヤルカスタマーを増やすという、典型的な例だと思います。
お問い合わせ対応のFAQを用意しておくのも効果的
たとえモノやサービスの購入につながらなくても、問い合わせへの対応の仕方によって、目の前のお客さまにいい印象を与えることはできます。「この店いいな」と思えるような対応、心を打たれるような感動的な対応をされると、お客さまはロイヤルカスタマーになってくれる可能性が高まります。将来のロイヤルカスタマーをつくるためにも、期待値を少し超える対応をしてみるのはいかがでしょうか。
個人のスキルレベルによって対応に違いが出るのなら、「FAQ(よくある質問と答え)」を作ってみるのもいいでしょう。FAQを作れば、ひとまず、よくある問い合わせに対しては即座に回答ができるようになります。
そのうえで、FAQの内容を充実させ、プラスαの回答例を加えていけば、お問い合わせ対応の品質向上につながります。
この記事を監修をしたのは

地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
代表取締役社長
〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
URL.http://claim-csos.com/
URL.http://claim-csos.com/
0 件のコメント:
コメントを投稿