仕事をするうえで何気なく発している言葉。自分では、単なる挨拶や情報伝達の手段として使っている言葉でも、相手はその背景にある「感情」を敏感に察知しています。お客さまと話すとき、あなたの言葉に「感情」はこもっているでしょうか?
車内アナウンスからもわかる車掌の苛立ち
先日電車に乗った時のこと。電車の発車後、車掌のアナウンスがありました。「駆け込み乗車は大変危険ですのでおやめください! お客さまのおケガだけでなく電車遅延の原因にもなります!!」
言葉使いは丁寧なのですが、その声からはイライラした様子が伝わってきます。腹が立つ気持ちはわかるのですが、そんなアナウンスを聞かされると、マナーをきちんと守っている乗客としてはいい気持ちはしませんでした。
このようなアナウンスに限らず、声というものは、その人の感情や気分をありありと伝えるものです。接客やクレーム対応の仕事に携わる人は、そのことを常に意識しておく必要があります。
電話越しでも相手の感情は敏感に察知できる
例えば、コールセンターなどでのクレーム対応で、電話を掛けてきたお客さまに、「大変申し訳ありませんでした」と謝罪する時。電話の向こうの相手には見えないからと思って、ふんぞり返って言ったとしたらどうでしょうか。おそらく相手は、「このオペレーターは口だけで、全然申し訳なさそうじゃない」と感じるはずです。
逆に、電話口であっても頭を深々と下げて申し訳なさそうに謝罪したら、その気持ちは相手にもきちんと伝わります。それくらい、声に気持ちを込めることができますし、言われた相手も声から気持ちを読み取れるということです。
マニュアル用語にもきちんと感情を込める
声だけでもそれぐらい伝わるのですから、対面であればなおさら、話し方が重要になってきます。話している相手は、声のトーンはもちろん表情や目線、身振り手振りといったいろいろな情報から、感情をキャッチするからです。よくサービス業で、感情のこもっていない接客用語を使っている人っていますよね。お客さまが来店されたら、そちらを見もせずに「いらっしゃいませ、こんにちはー」。
ああいった形式的なあいさつは、もらっても全然嬉しくないだけでなく、かなり白けます。何のために「いらっしゃいませ」とあいさつするのか、その目的や役割を理解せずに、単にセリフを読んでいるだけだからです。そこには何の感情も込められていません。
マニュアルを守ることは大切です。しかし、単にマニュアルにあるセリフをなぞるだけでは本当のコミュニケーションはできません。
当たり前ですが、「会話」は言葉のキャッチボールです。クレーム対応でも接客でも、相手が目の前にいても電話の向こうにいても、言葉に気持ちを込めて、相手に伝えようとする姿勢が大事なのではないでしょうか。
この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
URL.http://claim-csos.com/
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