居酒屋で「お通し」を拒否することはできない?~間違いだらけのクレーム対応(4)|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-08-08

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居酒屋で「お通し」を拒否することはできない?~間違いだらけのクレーム対応(4)

料亭や居酒屋などで提供される「お通し」は、お店に来たお客さまに一番最初に提供されるメニューとなるわけですが、このお通しの内容によってお店の印象は大きく変わると思います。  旬の食材を料理人独自の工夫で美しくおいしく仕上げた逸品などが出てくると、一気にテンションがあがり、その日の料理に大きな期待を寄せてしまいますし、ワクワク感が抑えきれません。  一方、お通しの意味をあまり深く考えず、粗雑な一品なのに値段は500円とか。利益を確保するアイテムとして提供しているお店に遭遇するとがっかりします。  こういうマイナスイメージで提供されることが少ない「お通し」ですが、断ることが出来るのでしょうか?

お店にとっては当たり前に提供しているものでも、お客さまによっては不必要に感じる場合もあります。例えば、居酒屋における「お通し」がそう。自分たちにとって当たり前と思っているルールがお客さまに拒絶されたら、どう対応すればいいでしょうか。


居酒屋で「お通しいりません!」と言ってみた

居酒屋に入ると、注文していないのに出てくる一品料理「お通し」。お会計の時になって、「お通し」の料金が意外と高いことに気づいて、なんとなく釈然としない気分になることもありますよね。

友人の話ですが、ある時に居酒屋に行って、最初の注文の際に「お通しはいりません」と店員に伝えたそうです。

その時の店員の返事が、ぶっきらぼうに

「ダメです」

「ダメです」という言い方もどうかと思いますが、とりあえずは落ち着いて「なぜダメなのか」、その理由を尋ねたところ、「うちの店の決まりなので」の一点張り。

友人は納得できず、「どこかに書いてありましたか? メニューに表示されていますか?」と食い下がりました。すると、店員は奥に引っ込んでいき、店長に確認してきたのか、「やっぱり大丈夫です」。

さっきの「ダメです」は何だったのか……。自分で蒔いた種とはいえ、どうもすっきりしない気持ちのまま、食事は進んでいったと言っていました。


飲食店の利用も「契約」 お通しは契約にそぐわない

この居酒屋における「お通し問題」、ネット上でも話題になっているのを見かけることがありますが、拒否することはできるのでしょうか。

当然、拒否することができます。なぜならば飲食店での食事であっても、一種の「契約」だからです。お客さまが合意してもいないのに勝手に商品を提供する「お通し」は、押し売りと一緒で、契約として成立していないのです。

「お通し」は、日本の慣習として定着している部分もありますから、多くの店で当たり前のように提供されています。しかし、自分たちにとって「当たり前」「常識」と思っていることでも、お客さまにとっては「当たり前ではない」こともあると知っておく必要があります。

そして、当然受け入れられると思っていたサービスの提供をもし拒絶されたら、どのように対応すればいいのか。対応策を決めておくことが大切です。

例えばお通しを拒否されたなら、素直に承知して、提供しないというのが最善の対応でしょう。

知人のケースのように、「ダメです」と言った後に「やっぱり大丈夫です」と訂正するような、優柔不断であいまいな対応をしていたら、たちまちクレームにつながります。


「お通し」サービスの是非を考える時

特に飲食店にとって、口コミの影響力が増している時代です。「あの店はお通しで500円も取る」「お通しを断っても『ダメだ』って言われた」などと口コミが広がれば大打撃を受けてしまいます。

「お通し」の習慣を知らない外国人とお店側がトラブルになるケースが増えているとも聞きます。今後、外国人観光客が増加していくことを考えれば、国際的に理解されないようなサービスはもう廃止してもいいのではないでしょうか。

実際にあるお店の提供方法ですが、どうしても提供したいなら、数種類のおすすめの小鉢を見せて、そのなかからお客様に選んでもらう(いらない場合は断れる)という方式にしてみてはどうでしょう。お客様は自分の好みで選べるし、店側も1品提供できるので、お互いに納得できる方法かと思います。

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この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
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