お店にとっては当たり前に提供しているものでも、お客さまによっては不必要に感じる場合もあります。例えば、居酒屋における「お通し」がそう。自分たちにとって当たり前と思っているルールがお客さまに拒絶されたら、どう対応すればいいでしょうか。
居酒屋で「お通しいりません!」と言ってみた
居酒屋に入ると、注文していないのに出てくる一品料理「お通し」。お会計の時になって、「お通し」の料金が意外と高いことに気づいて、なんとなく釈然としない気分になることもありますよね。友人の話ですが、ある時に居酒屋に行って、最初の注文の際に「お通しはいりません」と店員に伝えたそうです。
その時の店員の返事が、ぶっきらぼうに
「ダメです」
「ダメです」という言い方もどうかと思いますが、とりあえずは落ち着いて「なぜダメなのか」、その理由を尋ねたところ、「うちの店の決まりなので」の一点張り。
友人は納得できず、「どこかに書いてありましたか? メニューに表示されていますか?」と食い下がりました。すると、店員は奥に引っ込んでいき、店長に確認してきたのか、「やっぱり大丈夫です」。
さっきの「ダメです」は何だったのか……。自分で蒔いた種とはいえ、どうもすっきりしない気持ちのまま、食事は進んでいったと言っていました。
飲食店の利用も「契約」 お通しは契約にそぐわない
この居酒屋における「お通し問題」、ネット上でも話題になっているのを見かけることがありますが、拒否することはできるのでしょうか。当然、拒否することができます。なぜならば飲食店での食事であっても、一種の「契約」だからです。お客さまが合意してもいないのに勝手に商品を提供する「お通し」は、押し売りと一緒で、契約として成立していないのです。
「お通し」は、日本の慣習として定着している部分もありますから、多くの店で当たり前のように提供されています。しかし、自分たちにとって「当たり前」「常識」と思っていることでも、お客さまにとっては「当たり前ではない」こともあると知っておく必要があります。
そして、当然受け入れられると思っていたサービスの提供をもし拒絶されたら、どのように対応すればいいのか。対応策を決めておくことが大切です。
例えばお通しを拒否されたなら、素直に承知して、提供しないというのが最善の対応でしょう。
知人のケースのように、「ダメです」と言った後に「やっぱり大丈夫です」と訂正するような、優柔不断であいまいな対応をしていたら、たちまちクレームにつながります。
「お通し」サービスの是非を考える時
特に飲食店にとって、口コミの影響力が増している時代です。「あの店はお通しで500円も取る」「お通しを断っても『ダメだ』って言われた」などと口コミが広がれば大打撃を受けてしまいます。「お通し」の習慣を知らない外国人とお店側がトラブルになるケースが増えているとも聞きます。今後、外国人観光客が増加していくことを考えれば、国際的に理解されないようなサービスはもう廃止してもいいのではないでしょうか。
実際にあるお店の提供方法ですが、どうしても提供したいなら、数種類のおすすめの小鉢を見せて、そのなかからお客様に選んでもらう(いらない場合は断れる)という方式にしてみてはどうでしょう。お客様は自分の好みで選べるし、店側も1品提供できるので、お互いに納得できる方法かと思います。
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この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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〒143-8530 東京都大田区平和島1-1-2 NTTロジスコ平和島物流センタ7F
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