安全軽視・決めつけ・事実誤認 「理不尽なクレーム」対応時にやってはいけないNG行為~間違いだらけのクレーム対応(8)|クレーム対応ドットコム公式サイト

2017-12-12

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安全軽視・決めつけ・事実誤認 「理不尽なクレーム」対応時にやってはいけないNG行為~間違いだらけのクレーム対応(8)

安全軽視・決めつけ・事実誤認 「理不尽なクレーム」対応時にやってはいけないNG行為

クレーム対応を行っていると、多かれ少なかれ理不尽極まりないクレームを言ってくる人に遭遇します。なかには悪質なクレーマーが存在することも。そんなクレームを突きつけられた時、どう対応するべきでしょうか?

逃げてもいい!最優先事項は「身の安全の確保」

理不尽なクレームにもいろいろな段階がありますが、最も遭遇したくないのは、身の危険に関わるようなものでしょう。大きい声で恫喝されたり暴力を振るわれたりして、ニュースで報道されるような深刻なトラブルに発展することもあります。

そんな時、どう対応するべきでしょうか。何よりも大切なのは自分の身を守ることです。クレーム対応に行ったら、反社会的組織の事務所であることもあります。稀に帰らせて貰えないこともありますから、解放してもらうことを優先し、行動しましょう。不利な条件でも致し方ありません。何かあってからでは遅いのです。一刻も早くその場から逃げ出しましょう。

その後で速やかに警察に連絡し、弁護士や会社と対応を協議します。裁判になって時間や費用がかかるかもしれませんが、そんなことを気にするよりも、まずは自分の命を守ることが最優先なのです。


最初から悪質なクレーマーと決めつけずに慎重にコミュニケーションをする

クレーム対応がそのような暴力事件にまで発展することはまれでも、法外な金品を要求されたり、長時間にわたって説教をされたり、といったケースはよくあります。

では、受け付けたクレームが「理不尽・悪質なものかもしれない」と感じられたら、どう行動するべきでしょうか。最初のフェーズでは、クレームを言ってくるお客様の興奮を鎮めることが大切です。冷静になってもらい、じっくりと会話できる環境を整えます。

そこで、まずは丁重に謝ります。謝ると言っても、自社の非を無条件で認めるということではありません。「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありません」とお客様が憤慨された事実に対しお詫びし、お客様の感情に寄り添いながら謝罪の意を示すのがよいでしょう。

そして冷静に話ができる状況になったら、事実確認のヒアリングを行います。どのような状況で問題が起こったのか、どういう対応を求めているのかを、一つ一つクリアにしていきながら「本音」を探ります。クレームの発端となった製品があるなら、それを回収して調査します。

どのような状況下でも正しく判断する為に必要な「事実確認」

事実確認のフェーズは大変重要です。理不尽なクレームなのか正当なクレームなのかがここで判明するからです。正当なクレームであることがわかれば、企業としても製品交換や返金、社内改善の対応連絡などお客様のご意向に沿うことが可能です。

事実確認において注意すべきは、思い込みや先入観で決めつけてしまうことですから、応対者自身の見解も疑いながら行わないと、お客様が一方的に嘘を言っていると思い込み、本来は正当なクレームを理不尽なクレームと判断してしまうことになります。

お互いの主張が平行線となるときは、一旦お客様の主張を自分だけの判断とせず社内に持ち帰って調査し検討する時間をもらうのも良い方法です。時間を空けることでお互いに冷静に考える時間を持ち、客観的に事実を捉え直すことができます。そして再度コンタクトを取り、自社の見解についてお客様に説明します。

金品等の要求であっても多くの場合は、1、2回のやり取りで解決に至ります。3回以上のやり取りが行われる場合は、不当な要求という色が強くなってきます。仮に交渉を打ち切る場合は、社内での交渉終了の承認を得てから会社の意向としてこれ以上対応できないことをお客様に伝えるようにしましょう。


悪質なクレーマーかと思ったら、実際は違うということもある

つまり、1度目、2度目までは、理不尽なクレームかどうかを決めつけずに対応するということです。まどろっこしいやり方のようですが、理不尽なクレームかどうかの判断は微妙な違いなので、慎重に事を進める必要があるのです。

最初から理不尽・悪質なクレーマーと決めつけてしまうと、お客様からの貴重な声をつぶしてしまうことにもなりかねません。ある口コミサイトの運営会社に、口コミを掲載されたお店からクレームの電話がかかってきた時のことです。お店の人は「うちの店を勝手に載せるな、すぐに削除しろ」とかなり腹を立てています。

クレームを受けたサイト運営企業の担当者は、社内ルールによりユーザーの口コミを勝手に消すことはできない旨を伝えましたが、お店の人は当然納得せず、怒りを増幅させるばかり。相手は「消せ」の一点張り、担当者はかたくなに「できない」と断り続け、話し合いは平行線のまま。

問題がこじれてからC-SOSに相談が来ました。そこで運営会社の言い分を確認すると、口コミはサイトユーザーに著作権があり、プロバイダ責任制限法の関係でサイトユーザーの許可なく削除できないということでした。

しかし、勝手に情報や口コミを載せられたくないというお店があるのも事実。そこで、お店のページ自体を消す一方で、口コミページを検索サイトからアクセスできないようにすることで、お店の人にも納得してもらうことができました。

ここでの教訓は、実はもっと別のところにありました。それは、口コミの扱いについてユーザーに確認する仕組みを備えていなかったというものです。

悪い口コミだけを削除するというのは、情報操作になりますが、『お店がお店情報のすべての掲載を希望しない場合は、口コミを含めたそのお店に関する掲載情報をすべて削除します』という同意事項がユーザー規約に盛り込まれていたら、お店の方ともスムーズにお話ができたかもしれません。

しかし、もしこの企業がお店の人を、最初から「理不尽・悪質なクレーマー」と決めつけていたら、本質的な問題点に気が付かなかったと考えられます。

理不尽と思われるクレームを受けた場合は、すぐに「悪質なクレーマー」などと決めつけるのではなく、本当に理不尽なのかどうか、慎重に検討して判断する必要があるということです。


 



この記事を監修をしたのは
地村健太郎(ちむらけんたろう)
地村健太郎(ちむらけんたろう)
株式会社C-SOS
代表取締役社長
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